まほろば龍通信 No.002

投稿者: | 2018-01-09

「まほろば龍通信」の第二号です。

先週、記念すべき第一号を配信しました。

お読み頂いて、どうでしたか?

あー、内容忘れちゃったよー
まだ読んでない・・・

そんなかたは、バックナンバーをご利用くださいね。

実は、第一号の配信後、いろんなかたからメルマガの感想をいただきました。
とても嬉しかったです。

このメルマガでは、龍から聞いた話や日本の神様、奈良のお話を中心に書いていくつもりですが
もし、こんなお話も聞いてみたいなーということがあれば、お気軽にメッセージくださいね。

皆様からのリクエストに応えていきたいと思っています。

では、第2回目のはじまり、はじまり~

今日は、私が龍と出会った神社、「葛城坐一言主神社」(かつらぎにいますひとことぬしじんじゃ)に祀られている、
一言主神(ひとことぬしのかみ)のお話の続きです。

一言主神が、葛城山(かつらぎさん)で雄略天皇をこらしめてから、200年ほど後の7世紀ごろ。

葛城山に、役行者(えんのぎょうじゃ)という呪術者が住んでいました。

役行者は、葛城山での厳しい修行の結果、不思議な力を手に入れた、と言われており

空を飛べるらしい。とか、鬼をパシリに使っているらしい。とか、いろんな噂が立っていました。

その鬼というのは、一言主神に仕えている鬼神たちでした。

神様のお使いたちを、パシリに使うとは、怖いもの知らずですね。

ある日、役行者は、葛城山と奈良の金峰山(きんぷせん)の間に、橋をかけよう!と思いつきます。

葛城山は、奈良と大阪の境にある山、金峰山は奈良の南部、吉野にある山で、どちらも修業する場として有名でした。

私は、空を飛べるなら、わざわざ橋をかけることもないだろうに・・・と思うんですが、

とにかく

橋をかけたくなった役行者は、そのアイデアを形にすべく、着手します(行動力はバツグン)。

でも、自分の汗は流しません(ずるい)。

鬼ですらパシリに使う役行者、橋作りは・・・

もっと強力な力を持つ神様、そう、葛城山に住む一言主神にやらせようとしたのです!

一言主神が、ほいほい、お任せあれ(^^)と笑顔で引き受けたのかどうかは、わかりません。

ですが、一言主神は、役行者の言うとおり、二つの山にかける橋を作ろうとしたそうなんです。

葛城山には、今でも岩橋(いわはし)という地名の場所があって、

そこは、一言主神がかけようとしていた橋の名残があった、と言われているんです。

あれ?

かけようとしていた??

かけた、じゃなくて?

そうなんです。

その橋、実際には完成しませんでした。

というのも。

一言主神は、太陽が落ちて、あたりが真っ暗になった夜の間しか、橋作りをしなかったからなんです。

その理由は。

一言主神は、自分が醜いということを恥じており、

人目につく昼間には、外に出ようとしなかったからだと言われています。

そういえば、雄略天皇をこらしめたときは、雄略天皇の姿で現れましたね。

もしかすると、誰も、本当のお姿を見たことがないのかもしれません。

話は戻りますが。

電気のない古代の日本、夜になれば、山中は当然真っ暗やみです。

しかし、山頂に近ければ、月明りがよく届いたかもしれません。

きっと、一言主神は、月が綺麗に見える夜も、橋作りをしなかったことでしょう。

となると、ひとつきの間、半分は橋作りを休んでいたことになります。

なかなか出来上がらないわけですね。

役行者は、神の強大な力をあてにして、一言主神にやらせようとしたのに、橋作りが進まないことに腹をたて、

一言主神をいじめたそうです。

呪術を使って、身動きできないようにしたのかもしれませんね。

鬼や神様の動きも封じ込めてしまうとは、役行者は、よほどすごい呪術の使い手だったのでしょう。

しかし、一言主神もへこたれません。

役行者がどんなに怒り狂っても、絶対に自分の方針を変えることはしませんでした。

そのため、橋はとうとう完成しなかった、と言われています。。。

あなたは、このお話を聞いて、どんなふうに思われましたか?

雄略天皇の時代では、強大な力を持ち、おそれ敬われていた一言主神ですが

200年ほどたつと、その力が弱まったようにも感じられますよね。

それは、葛城山に住む神様よりも、

人間でありながら修業により、不思議な力を手に入れた役行者のほうが、

その当時の人々の信仰があつかったから、なのかもしれません。

役行者にいじめられても、夜の間しか橋を作ろうとしなかった一言主神。

言われたとおり、やってるわい。

何の文句があることか。

昼間も働けとは、言わんかったじゃろ、そんな約束もしとらんわい。

・・・という、一言主神の声が聞こえてきそうでしたよね(笑)

今日、あなたにお話しした内容は、私が子供のころ、母から聞いた話になります。

初めてこの話を聞いたときは

「誰にも見られたくない顔って、どんなお顔なの~」

と、すごく気になりました(笑)

私の母は京都生まれの京女でしたが、父は奈良で育ち、二人とも歴史好きだったので

子供のころから、近畿に伝わる昔話をたくさん聞かせてくれました。

この一言主神と役行者の橋作りのお話は、昔から人気があったようで

平安時代に作られた「続日本紀(しょくにほんぎ)」という歴史書や、

「日本霊異記(にほんりょういき)」という説話集にも、同じような話が載っています。

それにしても、神をもおそれぬ役行者。

あなたは、彼がどんな人だったのか、気になりませんか?

役行者は、本名を役小角(えんのおづぬ)といい、実在したと言われています。

私は読んだことがないのですが、「宇宙皇子」という小説にも出てくるそうです。

彼は、私が龍と出会った神社がある、奈良県御所市(ごせし)で生まれたらしいですよ。

来週は、この役行者について書いてみようかな、と思います。

では、また来週(^^)/

 

 

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[注]

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