新月の夜の願い事

投稿者: | 2017-08-24

今日、2016年9月1日は、新月。

今夜は、夜空を見上げても、月が見えない。

月の輝きは、月が発光しているのではなく、太陽のしわざ。

 

新月の夜は、地球からすると、月の真後ろに太陽が位置している。

地球から見えるのは、月の陰になった部分だけ。

お月様は、その姿を、宇宙の闇の中へ紛れ込ませているのだ。

 

ところで、新月の夜には、願い事をすると良いらしい。

 

新月から48時間以内に、

望む未来を宣言(declaration)すると、お月様が叶えてくれるのだとか。

 

新月のお月様は、それほど強力なのだろうか?

 

闇夜に紛れたお月様は、休んでいるかのように見えるが

実は、太陽から最も近いところで、まぶしい光を全身に浴びているのだ。

 

月の裏側に回れば、

満月の時よりも、光り輝いているお月様を見ることが出来るかもしれない。

 

月は、太陽によってその姿を現す。

太陽は、具現化のシンボルだ。

 

つまり、太陽の力によって魔力を増幅させた月は、

胸に秘めた願いが実現するのを、助けてくれるのだろう。

 

ところで、新月の夜に願い事をするときは、

紙に書くのが良いと聞いた。

 

それも、詳細に、具体的に。

 

あれは、いつのことだったか。

ソウルメイトに出会いたいと思っていた私は、

理想のソウルメイト像について、リストを作ったことがあった。

 

どんな人に出会いたいのか、はっきりさせることで出会いが近づく、と

教えてくれた人がいたからだ。

 

「詳しく書くほうがいいのよ」

 

そう言われて、作ったリストの項目は、50を超えていた。

 

そして、新月になるたび、お月様へお願いしたのだ。

「リストどおりの人に出会えますように」

 

やがて、私は、ある人と出会った。

 

その人と親しくなるにつれ、

彼は、私が作ったリストのうち、30以上をクリアしているとわかった。

 

「彼こそが、待ち望んだソウルメイトなのかしら・・・?」

 

しかし。

 

結局、私は、その彼では満足できなかった。

 

彼と別れたあと、私は、リストを見直してみた。

彼がクリアしていた項目は、今となってはどうでもいいことのように思えた。

 

私は、本当に望んでいたことを、リストに載せていなかったのだ。

 

リストに載せていたのは、

ソウルメイトのルックスや性格、プロフィール、

お互いの関係性に関すること。

 

だが、私の魂が求めていたのは、そんなことではなかったようだ。

 

それからの私は、リストを作ることもやめてしまった。

 

いつか、ソウルメイトに会いたいという願いだけは、心の奥にしまったまま。

 

そして。

 

ある日のこと。

 

知り合ったばかりの人とLINEをしていた時に、

私は

なにげなく、その日、自分が見た夕焼けの話を送った。

 

「今日ね、とても綺麗な夕日を見たの。だから、明日もがんばれそう」

 

何かと忙しい夕暮れ時、

その人は夕焼けなど気にもかけていないと思っていた。

 

ところが。

 

その人は、自分が撮った夕焼けの写真を送ってきた。

「自分も見てたよ」

 

その人と私は、少し離れた場所にいたので、

雲の形や日差しの角度が少し違って見えたけれど

写真に映っていたのは、

まさしく同じ時刻に、私が見た夕暮れの空だった。

 

有名な観光地でもなく、

リゾート気分いっぱいの海辺でもない。

ごくありふれた、日常生活の一部。

 

いつも見る景色の中に、

はっと目をひく瞬間を、私とその人は共有していたのだ。

 

その時、私は、大事なことを思い出した。

 

私が夕焼けに惹かれるのは、二度と同じものを見ることが出来ないから。

 

茜色、藤色、桃色、橙色、藍色・・・

雲の形と空の色は、刻々と姿を変える。

綺麗だと思ったその瞬間は、決して再現されない。

空を見上げる心の余裕がなければ、その日の夕焼けを見逃してしまう。

 

また、空に目をやっても、

夕焼けの儚さに目を留める感性がなければ、夕焼けは心に残らない。

 

自然が与えてくれるものを、受けとる力。

 

彼は、その力を持っていたのかもしれない。

 

そして、私は、はっとした。

 

「今日の夕焼け、綺麗だね」と言ったら

「うん、そうだね」と答えてくれる人。

 

なにげない日常の中に、きらきらした瞬間を共有できること。

 

お互いのあたりまえが交錯して、

つかず離れず、

それでいて続いていくこと。

穏やかに、でも楽しく、仲良しでいられること。

 

変化しながら、終わりの来ない、幸せな関係を構築していけること。

 

私がソウルメイトに求めていたのは、

そういう感性や資質だったのだと気付いた。

 

ちょっとしたきっかけで、自分の本当の望みというのがわかることがある。

 

ということで。

 

私は、今夜のお月様に、

「ソウルメイトとここに書いたような関係を作ることができる」

という未来をお願いしてみようと思う。

 

お月様が叶えてくれるとしたら、何を願う?

 

そんなふうに考えてみると、あなたの本当の願いが見えてくるかもしれない。